特別資料No.522 米国EPA TSCA 重要新規利用規則(SNUR)(第3版)
2022年10月発行
資料内容
重要新規利用規則(SNUR)とは、有害物質規制法(TSCA)第5条(a)項に基づき、EPAが人の健康又は環境に不当なリスクを呈するおそれがある特定の化学物質の新規利用について事前の届出を義務付けることにより、製造又は使用を事実上制限又は禁止する規則である。
新規化学物質の場合は、その製造前届出(PMN)の審査中に、リスクを正当に評価する十分な情報がなく、かつ①人又は環境に不当なリスクをもたらすおそれがある、又は②相当な量の環境への放出若しくは人ばく露のおそれがあると判断されると、TSCAインベントリーに収載された後にEPAが重要新規利用規則を公布する。既存化学物質についても、発がん性、神経毒性及び毒性が強いため、人又は環境に不当なリスクをもたらすおそれがあるとEPAが判断した場合に公布されることがある。
大半の、特にPMNが提出された物質に対するSNURは、指定されたリスク管理措置を実施しないで使用することを重要新規利用と規定している。したがって、そのようなリスク管理措置を実施しないで使用する場合、重要新規利用届出(SNUN)をその使用に先立ってEPAに提出する必要がある。一方で、リスク管理措置を実施して重要新規利用要件を満たさないように使用する限り、SNUNの提出なしにSNUR対象化学物質を製造することが可能である。しかし、対象化学物質を他の者に供給する場合、供給先にも重要新規利用要件を満たさない使用の遵守が要求され、供給者がそれを証明することは難しい。
本資料は、2022年7月5日の連邦公報(87 FR 39756)、及び、2022年8月2日の連邦公報(87 FR 47103)の修正規則も含めた、連邦規則集(CFR)の40 CFR part 721に収載されるSNURのうちsubpart AからDまでの要件を全て翻訳したものである。Subpart E中の特定のSNURについては、2022年7月27日時点における2,642の化学物質及び化学物質群について、section番号順のリストだけではなく、CAS番号順にsection番号を調べることができるリストも作成した。
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